株式会社ヘッドライトジャパン
現在取り組んでいる事業について教えてください
特殊な照明を企画販売
特殊照明の企画販売をしています。照明というのはどこにでもありますが、私が取扱うのは、危機管理や安全管理の領域で使う特別なものです。例えば、製造工程での異物や不具合、鑑識での足跡や指紋、公共事業での施設点検等における割れかけなどをより見えやすくする照明です。商品も揃ってきたので、これを「見える化シリーズ」として取扱っています。現在は、しっかりとした代理店にも協力していただけるようになり、大手企業を含む約20社とお取引をしていただいています。
独立までの経緯を教えてください
独立への思いが徐々に大きくなる
独立前は、30年間製造工程の衛生管理の仕事をしてきました。そこで照明(ライティング)の面白さや奥深さに出会い、随分前から「照明関連で起業できないか」と漠然と思っていました。40代の時、ある研修がきっかけで創業を考えたことがありましたが、その時は具体化しませんでした。50代後半になり、60歳で定年を迎えた後の人生を考えた時に「自分の可能性を試してみたい」という思いが強くなり、55歳で独立しました。
市の産業振興課への相談がきかっけでBusiNestを知る
退職する1年前に立川の創業セミナーに参加し、各市区町村でそういうセミナーを開催していることを知りました。私が住む東大和市にもあるだろうと市の産業振興課に尋ねると、東大和市の個別アドバイスを紹介されました。そのアドバイスの会場がBusiNestでした。東大和市に住んでいましたが、中小企業大学校という施設があることを知りませんでした。
事務所を借りずに自宅でやろうと思っていたのですが、BusiNestを見学すると、セミナールームやミーティングルームがあり、個室もある。加えて、自宅からも近いのですぐに会員になろうと思いました。
盛大な設立パーティーを開催
会社は、2017年7月に立ち上げました。BusiNestの交流室をお借りして設立パーティーを開催したところ、80人もの方が参加してくださいました。円満退社でしたので、勤めていた会社からも副社長以下たくさんの方が来てくれました。私を育ててくれた会社にはすごく感謝しています。ありがたいことに現在もビジネスで協力関係にあります。
開業時のビジネスはどのような状態でしたか
最初はビジネスを簡単に考えていた
実は開業当時はビジネスを簡単に考えていました。30年間培ってきた自分のスキルやノウハウに自信がありました。建築士の資格を持ち、害虫駆除のスキルなど多くの知見もあったので、それらを一つでも二つでも活かせれば食べていくくらいはどうにかなるだろうと思っていました。
そこからBusiNest での支援が始まりましたね
創業の厳しさを知る
BusiNest入会後、ビジネススタートアップ講座やビジネスコーチ(以下、「コーチ」)との個別の面談が始まりましたが、最初の頃は今では恥ずかしいほど自分に奢りがあり、支援もなめていました(笑)。
でも、実際に仕事を始めて2 ヶ月3 ヶ月経っても仕事が取れない。色々な仕事を取りに行きましたが、どこに行っても取れない。これは変だなと気がつくとともに、仕事はそんなに甘くない、ということが分かってきました。思い返すと、当時は目先のお金が欲しいという気持ちが強く、「ビジネス」をしていなかったです。
コーチとの試行錯誤
BusiNestでの最初の1年は、自分の振り返りの時間だったと思います。振り返りを仕掛けていただいたのがコーチでした。一生懸命な姿勢で、毎回の面談で「あなたが好きなことは何なのか、何をやりたいのか」ということを繰り返し問われ、私の心にグッと刺さってきました。50何年間生きてきて、改めて自分を振り返るなんてしたことがなかったです。
その頃は、毎回毎回の面談が刺激的で、何かを与えてもらえることが楽しみでした。あのやりとりは忘れられません。
事業の方向性が明確になる
そして、1年経った頃には自分の事業の方向が完璧に定まっていました。コーチから「とにかくあなたが一番好きなことをやりなさい。どうせ頭下げるんでしょ、だったら好きな事に頭を下げなさい」と言われて、「自分は照明で行こう」と迷いが無くなりました。
満足で一杯なのは、導かれたから
今考えると、コーチから学んだのはビジネスのテクニックだけではなかったです。それよりももっと重要なこと、「人間として何か大切か」をこの歳になって教えていただいて成長できたという感じです。10代や20代の人間ではない、50過ぎたオヤジをここまで導いていただけたなんて信じられません。この歳になると、もう頭はガチガチじゃないですか。それを「そっちじゃない、こっちだよ。それだめ」って導いていただいた。本当にすごい感謝を申しあげたい。今、私がこうして満足で一杯なのは、あの時間があったからです。
デザイン支援はどうでしたか
販売促進の新しい見方が身についた
デザインコーチは、販売促進の新しい見方を与えてくれました。営業するだけじゃダメ。販促材料がないと何も始まらない。当たり前のことにあらためて気づかせていただきました。
チラシ制作のサポートを頂くだけではなく、私が作ったものに対して、「チラシって実はこういうもの。アイキャッチってこういうことなのよ」と叩き込んでくださいました。デザイン面からの見方はこれから先も役に立つと思います。
他のBusiNest 会員との関係はどうですか
ギブアンドテイクでビジネスを進める関係
自分は積極的に他のBusiNest会員とお付き合いさせてもらっています。具体的には、私のライトと特殊な眼鏡を組み合わせたサービスの提供、照明を付ける取付け金具製作の金属加工会社への依頼、照明の省エネのアドバイス、照明とVRの融合などです。それぞれ、お互いの実際の仕事につながっています。
施設の活用についてはどうですか
オープンスペースを活用
共有のオープンスペースがあるのはすごく楽しいです。みんなで持ち寄って、「こっちからだよ」「あっちからだよ」など、ビジネスを形作っていく協働ができます。「スペースを活用して、何かを生み出してほしい」というBusiNestスタッフの姿勢も嬉しいですね。
「ファンビジネスアワード」に参加されましたね
2年間の思いの丈をぶつけた
BusiNestの会員だった2年間の思いを伝えたかったです。「私はこうやって生きてきた」というのを、是非皆さんに知ってもらいたいという思いで参加しました。気合いが入りすぎ、失敗しちゃいましたけど(笑)。他の4人の発表者も全部ぶつけていましたよね。きっと、気持ち良かったんじゃないでしょうか。他の皆さんの話を聞いて自分もワクワクしたし、仲良くなれましたし、本当に出て良かったです。来年も再来年も続けて欲しいですね。
【ファンビジネスアワードとは】
BusiNestが主催する、日々ビジネスを楽しみながら、夢の実現にむかってひたむきに取り組んでいるBusiNest会員にスポットを当てたビジネスプレゼンテーション・ビジネスコンテスト。2019年3月に第1回を開催。
いよいよ卒業ですね
BusiNestは出発のための準備を仕込んでくれる場所
この3月でBusiNestを卒業するのですが、あらためてまたこれからスタートラインに立つような感じです。最近、「BusiNestは、出発のための準備をいっぱい仕込んでくれた場所だったんだ」と気づきました。あと3年くらい教えてほしいなというのが今の素直な気持ちです。
将来はどんな会社に育てたいですか
チームをつくりたい
まずは、特殊照明ビジネスで食べていけるようになりたいです。そのためには自分が得意な商品開発を軸にしていきます。また、営業力は欠かせないのでいい代理店を増やしていきたいです。
人を雇っていくことや事業を牽引していくことについて、これから学ばなくてはなりません。将来は、チームを作りたいです。野球で例えれば、1番から9番まで、個性的な人間それぞれが協力して仕事をしているような会社にできたら面白いですね。
自分は9番ライトでいいです(笑)。
これから創業を志す方に一言お願いします
外にでることが大切
戦場は外にあるということです。BusiNestのスペースにいると何となく仕事をしてる気分になります。でも、動かなければ何も生まれません。やっぱり外に出て戦っていかないと、それも楽しんで戦っていかないと駄目なんじゃないでしょうか。それをぜひ伝えたいです。
本日はありがとうございました
担当ビジネスコーチから一言

馬込 正(まごめ ただし)
また、創業準備コース第9期のリーダーとして同期の皆さんをまとめていただきました。BusiNestの交流コーナーやコワーキングスペースで、亀澤様を中心に会員たちが輪を作り、わいわいガヤガヤビジネスの検討をされていました。
支援のテーマは「継続できるコアビジネスの構築」でした。元々能力が高く、人望があり、行動力をお持ちです。一方で、色々な仕事が舞い込み、全てに応えようとされるので、何をされたいのかが不明確になってしまう恐れがありました。月に一度の面談では、毎回持ち込まれる新たな案件への交通整理をすることで、将来を見据えた「特殊照明の企画販売・ソリューションサービス」というコアビジネスを構築していただくことができました。
これからも照明を通じて、社会や世の中の安全、品質、環境領域における課題を解決していかれることを楽しみにしています。
在籍コース・時期 | BusiNest 創業準備コース 第9期2017年4月入会 |
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